保育園や学童の入園申請をする際に、就労証明書の提出が必要になります。会社員は勤務先が用意してくれるため自分で書くことはありませんが、雇用先のないフリーランスは自分で書かなくてはなりません。
この記事では、フリーランス向けの就労証明書の書き方や入手方法を紹介します。申請が無事に終わるように、基本の書き方をマスターしておきましょう。
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フリーランスの就労証明は何が違うの?

就労証明書は「就労を証明するための書類」です。フリーランスは自分で事業を立ち上げているため、会社員のように働いていることを証明してくれる人がいません。しかし、公的な場ではフリーランスも就労証明書を求められます。
ここでは、フリーランスの就労証明書はどのように発行するのか、どのようなシーンで求められるのかを解説します。
自分で作成しなくてはならない
会社員の場合、就労証明書は人事や総務など勤務先の担当者が作成してくれます。しかし、フリーランスには雇い主がいないため、自分自身で就労証明書を作成しなければなりません。
記入欄には「事業所名」「代表者名」といった項目があり、フリーランスの場合は自分の屋号や氏名を記載して提出します。自治体によっては、確定申告書や開業届などの追加書類を求められることもあります。
会社員とフリーランスとで書類自体に違いはないものの、フリーランスは「自分で作成+自分で証明」が必要です。なお、就労証明書の様式や添付書類は自治体によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
フリーランスが就労証明書を使うのは保育園・学童申請のとき!
住宅ローンや賃貸契約など、フリーランスが就労状況を証明する際、多くの場合「確定申告書」が使われます。しかし、保育園や学童の申請では会社員・フリーランスに関係なく「就労証明書」が求められ、ローン契約などのように確定申告書だけでは受け付けてもらえません。
この理由は、収入の有無ではなく「就労の実態」と「勤務時間」が選考基準になるから。確定申告は「どのくらいの収入があるか」がメインとなるため、フリーランスも必ず就労証明書を提出しなくてはならないのです。
【フリーランス向け】就労証明書の書き方

就労証明書には、氏名や住所、業種、勤務時間など多くの項目を正確に記載する必要があります。会社員であれば人事や総務が処理してくれますが、フリーランスはすべて自分一人で仕上げなくてはなりません。ここでは、各項目をどのように書けばよいのか、フリーランスならではの注意点も交えながら解説します。
氏名・住所・事業所名
就労証明書に書く氏名と住所は、住民票に記載されている内容と一致させるのが原則です。事業所名の欄は、屋号を使っている場合は屋号を書きますが、屋号がない場合は「氏名+自宅住所」で問題ありません。
フリーランスは個人事業主なので、代表者名の欄には自分自身の名前を記載します。ここで注意したいのは、開業届や確定申告書の内容と相違があると指摘される可能性があることです。
引っ越しなどにより住所が異なる場合は、それを証明する書類が必要になる可能性があります。
項目 | フリーランスの記入方法 | 注意点 |
---|---|---|
氏名 | 自分の氏名 | 住民票と一致させる |
住所 | 現住所 | 住民票と一致させる |
事業所名 | 屋号があれば屋号、なければ「氏名+住所」 | 開業届の内容一致させる |
代表者名 | 自分の氏名 | 自分自身が代表者になる |
共通の注意点 | 開業届や確定申告書と整合性を取る | 不一致があると自治体に確認される可能性あり |
業種・雇用形態・雇用期間
この欄には、フリーランスとしてどのような仕事をしているのかを具体的に記入します。業種は開業届や確定申告書に記載している内容と合わせるのが基本です。
WebライターやWebデザイナーなど就労証明書の項目にない業種の場合は、「その他」にチェックを入れてカッコの中に業種を記載しましょう。フリーランスは個人事業主に該当するので、雇用形態の欄は「自営業主」にチェックを入れます。
雇用期間については、定めがないため「無期」にチェックを入れます。「開業日」を就労開始日として記入すれば問題ありません。
項目 | フリーランスの記入方法 | 注意点 |
---|---|---|
業種 | 開業届・確定申告と同じ業種を記載 | 項目にない場合は「その他」に記載する |
雇用形態 | 「自営業主」にチェックを入れる | |
雇用期間 | 「無期」にチェックを入れ、就労開始日に開業日を記載する | 開業届の内容一致させる |
就労時間・就労実績
この欄では、どのくらい働いているかを客観的に示します。会社員であれば所定労働時間を勤務先が記載しますが、フリーランスは自分で「平均的な労働時間・日数」を算出して記入します。
働く時間や曜日が決まっている「固定就労」の場合は固定就労の欄に、就労時間に定めがない「変則就労」の場合は変則就労に就労時間や合計就労時間、就労日数などを記載しましょう。
就労実績の欄では、直近3か月の稼働状況を記載します。案件によって時間が変動する人も多いですが、「月20日程度稼働」「週30時間程度」など目安を示すことで、自治体が審査しやすくなります。
時間や日数に関するものは、数字に一貫性がないと不利になる可能性があるため、作業記録を基に算出すると安心です。
項目 | フリーランスの記入方法 | 注意点 |
---|---|---|
就労時間 | 働き方に合わせて「固定就労」または「変則就労」に記載 | 場合によっては就労時間を証明する書類が必要になる |
就労実績 | 直近3か月の稼働状況を記載 | 実績がない場合は「見込み」を記載する |
開業届や確定申告との整合性をチェックする
就労証明書の内容は、提出先の自治体が保護者の就労実態を確認するために使います。開業届や確定申告書と就労証明書の内容が食い違っていると不備があると見なされ、受理されない可能性があるため注意しましょう。
また、確定申告書の住所と就労証明書の住所が異なる場合も注意が必要です。引っ越しをした後は、現住所で就労証明書を作成しつつ、自治体から追加の確認が入る可能性を想定しておきましょう。
就労証明書の入手方法

就労証明書は、提出先の自治体が指定する様式を使用する必要があります。入手方法は自治体によって異なりますが、多くはホームページからダウンロードでき、役所の窓口でも配布されていますよ。ここでは、代表的な入手方法を紹介します。
自治体のWebサイトでダウンロードする
多くの自治体では、公式サイトから就労証明書のフォーマットをダウンロードできます。ダウンロードしたデータをプリントアウトし、直筆で書いていきましょう。スマホやUSBにデータを入れれば、コンビニでもプリントアウトできますよ。
自治体によっては、「保育園入園申請書類一式」としてまとめて用意されている場合もあります。フォーマットは自治体ごとに異なるため、必ず提出先が指定しているものを使うようにしましょう。
役所の窓口で受け取る
就労証明書は、市区町村役場の窓口でも配布されています。インターネット環境がない場合や、直接確認しながら書類を受け取りたい場合は、窓口で入手すると安心です。保育園の入園申請時期には、申請に必要な書類一式がまとめて配布されることもあります。
職員が記入方法を簡単に説明してくれる場合もあるため、不明点がある人はこの方法を選ぶとよいでしょう。役所は曜日と時間に限りがある点に注意してくださいね。
フリーランスが保育園・学童申請する際に必要となる就労証明書以外の書類

保育園や学童を申請するときには、就労証明書のほかにも複数の書類を提出する必要があります。求められる書類は自治体によって異なりますが、どの自治体も収入や就労状況を客観的に示すための資料が中心です。ここでは、フリーランスが準備しておきたい代表的な書類を紹介します。
開業届や確定申告書の控え
フリーランスが就労していることを示す代表的な書類が、開業届や確定申告書の控えです。開業届は事業を正式に始めた証明となり、提出していればコピーを求められることがあります。開業届を出していない場合は、確定申告書を証明書として提出しましょう。
確定申告では、白色申告なら「収支内訳書」、青色申告なら「青色申告決算書」を併せて提出します。これらには収入の金額だけでなく取引先名も記載されるため、就労していることを客観的に示せますよ。
自治体によっては、就労証明書と一緒に最新の確定申告書類を求められるケースがあります。
クライアントとの契約書・請求書のコピー
フリーランスの場合、開業届や確定申告書だけでは就労状況を十分に示せないことがあります。その際に役立つのが、クライアントとの契約書や請求書のコピーです。
契約書は継続的な取引関係を示す資料となり、請求書は直近の就労実績を裏付ける資料となります。契約書がない場合でも、請求書や入金記録を整理して提出すれば問題ありません。
申請するときに慌てないよう、クライアントから受け取った書類は探しやすい場所に保管しておくようにしましょう。
フリーランスはここを見て!就労証明書を書くときの注意点

就労証明書は、保育園や学童の入所審査で重要な役割を持つ書類です。記載内容に不備や誤りがあると、追加書類の提出や審査遅れにつながる可能性があります。特にフリーランスは自分で作成するため、正確性と一貫性を意識することが大切です。ここでは、書類を作成する際に気をつけたい主なポイントを紹介します。
提出期限を守る
保育園や学童の申請には締め切りがあります。フリーランスは自分で就労証明書を作成しなければならないため、書類の用意、作成、提出などにかかる時間の管理は会社員以上に必要です。
年度末や新年度は役所の窓口も混雑するため、不備が見つかった場合に間に合わなくなる可能性があります。万が一のときも落ち着いて対応できるように、書類の作成・提出ともに余裕を持って行いましょう。
ダブルチェックで記入漏れや誤字脱字を防ぐ
就労証明書は提出後の修正が難しいため、記入漏れや誤字脱字がない状態で提出するようにしましょう。就労証明書を書く機会はそこまでたくさんありません。慣れない書類はミスしやすくなるので、ダブルチェックをすると安心ですよ。
書いた直後よりも、少し間を置いてからのほうがミスを見つけやすくなります。就労時間・就労日数は記入漏れのほかに、実際の就労と相違がないかも確認しましょう。
氏名や住所は自分のものと事業所のものがあるので、それらが住民票・開業届と一致しているかもチェックしてくださいね。
入園・学童申請をスムーズに進めるコツ

保育園や学童の申請は、就労証明書を含む複数の書類を揃える必要があり、準備に手間取ると提出期限に間に合わないこともあります。フリーランスはすべて自分で書類を整える必要があるため、計画的に進めることが重要です。ここでは、申請をスムーズに進めるために意識したいポイントを紹介します。
自治体の入園基準を確認する
保育園や学童の入所審査では、就労証明書の内容だけでなく、自治体ごとに定められた入園基準が重視されます。基準には、就労時間や日数のほか、家庭の状況やきょうだいの有無などが含まれ、点数化して審査されるのが一般的です。
フリーランスは働き方が多様なため、就労時間が短く見えたり、収入が不安定に見られることがあります。そのため、あらかじめ自治体の基準を確認し、自分の働き方がどのように評価されるかを把握しておくことが大切です。基準を理解していれば、余裕をもって準備できますよ。
必要書類を早めに準備する
フリーランスが保育園や学童を申請する際には、就労証明書のほかにも複数の書類が必要です。代表的なものとして、開業届の控えや確定申告書類、クライアントとの契約書や請求書のコピーなどが挙げられます。
これらは自宅や事務所で保管しておく書類ですが、滅多に使わないため「どこにしまったかわからない」「思っていた場所になかった」など、すぐにそろえられないこともあります。
事業運営や経理に関する書類は、いつ必要になるかわかりません。日頃から整理しておくことで保育園・学童の申請をスムーズに余裕をもって進められますよ。
まとめ|フリーランスの就労証明書は事業所の名前や住所、就労時間の書き方に注意!
フリーランスが保育園や学童を申請する際には、就労証明書の提出が欠かせません。会社員と異なり、自分で作成する必要があるため、記入方法や必要な添付書類を正しく理解しておきましょう。
また、フリーランスは開業届や確定申告書類、契約書などの書類を別途求められる傾向にあります。どの書類を提出するかは自治体によって変わり、提出するかどうかの判断も自治体で変わります。
就労証明書は自治体のWebサイトからもダウンロードできますが、提出物や書き方など細かいことを聞きたい場合は、役所の窓口で書類を受け取りましょう。
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